坂田 勝亮

坂田 勝亮
女子美術大学 美術学科 芸術文化専攻 教授
 
プロフィール
専門は視覚心理学,色彩学.色を見る際の人間の脳や視神経の働きについて研究を行っている。と同時に色感覚を引き起こす光の特性や、色が人間の文化に果たす役割などについて考察を行っている。
横浜国立大学教育学部心理学科卒業、早稲田大学大学院文学研究科博士前期過程修了後、財団法人日本色彩研究所,秋田公立美術工芸短期大学を経て現職。
研究テーマ
●主要色相と人間の色知覚:人間は黄、赤、青、緑の4つの色みを用いてすべての色を見ている。これらが眼から送られて来るどのような情報に基づき、脳のどのような機能によって処理されているのかについて研究している(心理原色に関する研究、錐体反応特性と色の見えの研究,注意と主要色相の研究等)。
●色順応の研究:人間の視覚系は同じ色を長時間見ていると、色のバランスを変更して光の状態に慣れるようになる.このメカニズムがどのようにして成立しているのかについて研究を行っている(色順応に関する研究,高齢者の色知覚に関する研究等)。
●肌色知覚に関する研究:人間の色知覚は肌色に対して特殊な特性を示すことがある。この特殊な色知覚の仕組みと特性を明らかにする研究を行っている(肌の色の見えに関する研究、化粧に関する研究等)。
●色の用いられ方と生活に関する研究:人間の歴史において色がどのように用いられ、それはどのような原因により、どのような結果をもたらしたのかについて研究している(色の文化的役割に関する研究,色の象徴性に関する研究等)。
研究部門
♯02 染織文化資源における天然染料分析技術確立と体系化
染織文化財の分光分布を光学的に測定するためには光源の種類や最適な測定角の設定,反射率から染料や顔料の種類を推定する方法、紫外線や酸素などによる退色程度の推定など解決するべき技術的問題が多く存在します。これらを解明して,最適な分析技術を確立するためのデータ収集と分析を行っています。
測定光源の違いによるデータ分布の検討(昼光色蛍光灯と昼光の比較)
測定光源の違いによるデータ分布の検討(昼光色蛍光灯と昼光の比較)
#03 知識・技術を伴った研究者の育成
基礎分野から広く応用分野にまでわたる色彩の分野で研究に携わる,若い研究者を育成しています。
♯05-1 染織歴史資料の色彩調査とアーカイブ化
染織文化財を2次元分光測色することで、染料や媒染などの技術情報を含む分光データと文様情報を含む平面の色の位置情報を同時に記録・保存します。
分析対象のタピストリー《預言者サムエルと少年ダビデ》
分析対象のタピストリー《預言者サムエルと少年ダビデ》洗浄前
分析対象のタピストリー《預言者サムエルと少年ダビデ》
分析対象のタピストリー《預言者サムエルと少年ダビデ》洗浄後
染織文化資源保存修復部門
染織文化資源研究部門