設備紹介(測色)

トプコンテクノハウス製 2D分光放射計 SR-5000HS

分光放射計による分光分布の分析により、染織文化資源を破壊せずに染料や顔料の調査が可能となりました。現在では失われた染織技法、素材の解明を進めています。

トプコンテクノハウス製 2D分光放射計 SR-5000HS
色は光の波長成分によって決まりますが、この放射してくる光の波長成分を測定することで色を測定する機器が分光放射計です。
測定された分光分布から、光の特性や色の見えを推定することができます。このように色は光の波長成分によって決まりますが、人間の眼は長波長(赤色光)に感度の高いL錐体、中波長(緑色光)に感度の高いM錐体、短波長(青色光)に感度の高いS錐体の3種の視細胞で色を感じています。つまり人間の眼は個々の波長を直接感じることができないため、色を見ただけでは光の成分を知ることはできません。黄色く見えても、黄色い波長の光なのか赤と緑の波長の光が混色しているのかわかりません。そこで分光放射計を使って、人間の眼にはわからない光の波長を測定することが可能にすることが出来ます。
物体はその反射特性によって、見えの色が変わります。長波長の光を多く反射する物体は、人間の眼にとって赤く見えます。染料や顔料は物体表面の反射特性を変化させて、着彩を行うという働きを持ちます。しかし前に述べた通り、見かけの色からだけでは反射特性を理解することはできません。そこで反射光の分光分布を分光放射輝度計で分析することにより、同じ色に見えてもどのような染料や顔料が使われているかを推定することが可能となります。人間の眼にはわからない微細な反射光の波長特性から染織文化財に用いられている色材を推定し、非破壊の分析を行おうとするものです。
染織文化資源保存修復部門
染織文化資源研究部門